時代に合わせた多種多様なビジネスモデルへの対応として、台湾では2015年6月に株式譲渡制限会社(閉鎖性株式会社)の章を会社法に新設しました。2016年4月末時点ですでに約100社が閉鎖性株式会社として登記されています。
台湾の閉鎖性株式会社とは、日本の株式譲渡制限会社に相当するもので、すべての株式に譲渡制限が付いています。
つまり、ある株主が、第三者に株式譲渡する場合において、取締役会もしくは株主総会等の同意を得なければ譲渡できないため、会社が望まない人・法人を株主にしない(自社株をもたせない)ことができます。
たとえば、同族経営している会社の場合を考えてみましょう。
もし同族以外で経営に対して非協力的な人物に株が渡った場合、経営に口出しするようになり、事業が円滑に進まなくなる可能性があります。
このような事態を避けるために、予め定款にて株式の売買、譲渡などに制限をかけることができるのです。
具体的には、会社定款に株式譲渡制限会社であることを明記するほか、株式譲渡制限に関する条文(例:取締役会での承認や株主の同意が必要等)を加筆します。
なお、閉鎖性株式会社のステイタス変更は原則、自由に行うことができます。
株主総会の同意を得れば、一般の株式会社から株式譲渡制限会社への変更や、その逆パターン(株式譲渡制限会社から一般の株式会社に戻して将来上場する等)のいずれも可能です(会社法第356条13項)。
台湾における閉鎖性株式会社の主な特徴は以下のとおりです。