台湾進出

台湾進出

台湾への主な進出形態として、現地法人(会社)、支店、駐在員事務所があります。すぐに営業活動を行う場合には、現地法人か支店のいずれかを選択しますが、市場調査や情報収集を目的とする際には駐在員事務所がよいでしょう。

現地法人と支店

台湾経済部の統計によれば、2019年度の日系進出案件は月平均20~30件で、そのうち現地法人が80%、支店が10%、駐在員事務所が10%を占めています。なお、設立登記や外国人ビザの要件ならびに税金コストについては、現地法人と支店であまり変わりはありません。

現地法人

台湾には外資規制等がないため、日本からの100%出資で現地法人を設立することが可能です。台湾法人が債務不履行に陥った場合でも、日本本社とは法人格が異なるため、日本本社に弁済責任が及ぶことはありません。日本本社と台湾法人を法的に切り離すことができるため、リスク管理面からメリットとなります。

支店

台湾支店で獲得した利益は配当に該当しないため、日本への送金は非課税となります。外国法人の台湾拠点であることから、台湾で競争入札が必要な場合に日本本社の実績をアピールすることができます。

税金コスト

現地法人および支店のいずれも台湾での法人税申告が必要です。現地法人については台湾で申告業務が完結しますが、支店の場合は日本本社で合算申告が必要になります。このため、台湾支店の課税所得分が日本と台湾の双方で二重に課税されることになりますが、日本側で外国税額控除制度を適用して控除することが可能です。ただ、控除可能額は台湾の既納税額が上限になるため、最終的な税金コストは日本の法人税率に基づくことになります。

駐在員事務所

営業活動はできません。市場調査、情報収集、物品の購入等に限定されます。決算書の作成や法人税・営業税の申告は不要ですが、給与や家賃払いに係る源泉徴収は必要になります。なお、本社に代わり駐在員事務所で顧客からの支払を受ける等、営業活動があるとみなされた場合には、法人税・営業税が課徴される可能性があります。

項目 現地法人 支店 駐在員事務所
営業活動 不可
申請方法 登記 登記 登記
統一発票の発行 不要
資本金*1 最低資本金(支店は最低登録運営資金)は撤廃  
株主数 個人の場合は原則2名以上
法人株主の場合は1人も可
取締役(董事) 1名以上*2
監査役(監察人) 0名以上*2
責任者 代表取締役(董事長) 支店長 所長
責任者の就労許可・居留証の要否 不要 不要 不要
法人税 20% 20%
海外送金に係る源泉税率*3 配当21%
利子20%
使用料20%
利子20%
使用料20%
入札の有利・不利 会社の実績はゼロ 本社の実績を承継
登録免許税(規費) 資本金×1/4,000
(※1,000元未満の場合は1,000元)
登録運営資金×1/4,000(※1,000元未満の場合は1,000元)+1,000元
手続に要する期間 1ヵ月〜1.5ヵ月 10営業日

*1最低資本金は撤廃されたが、外国籍者が就業ビザを申請するには最低50万元の資本金または登録運営資が必要。*2 2018年の会社法改正により、1人法人株主(法人1社による100%出資)で設立した法人の董事は従来の3名以上から1名~2名に削減。監査役の指定は任意となった。*3 日台租税協定の減免申請を行った場合は税率を10%まで引き下げ可能*4 未配当時は未処分利益追加税10%が別途課される。なお、台湾支店から日本本店への送金は配当に該当せず非課税扱い

  法人
日本語 株式会社 有限会社 合資会社 合名会社
中国語 股份有限公司 有限公司 兩合公司 無限公司
出資者の種類・人数 株主 有限責任社員 有限責任社員
無限責任社員
無限責任社員
2名以上* 1名以上 2名以上 2名以上
意思決定機関 株主総会 社員総会 社員総会 社員総会
上場 不可 不可 不可
代表者 取締役
(董事)
取締役
(董事)
社員 社員
責任の範囲 有限 無限

 

董事長と総経理の違い

台湾の会社の役職には、董事長や董事、また総経理といったものがあります。それぞれの違いについて日本との役員と比較してまとめました。

董事長

「董事長」とは、日本における代表取締役に相当するもので、会社を代表して契約を結んだり対外的な行為を実行する責任者の立場にあります。董事長は「董事」(取締役に相当)の中から1名を代表して株主から任命されます。会社経営上重要な意思決定や株主総会の招集・立案は董事会で行われます。

総経理

董事会が会社の重要な意思決定決議機関であるのに対し、日常的な経営管理は「総経理」が責任を負います。日本の支配人に相当する立場で、定款または契約に規定する授権範囲内にて会社のために指示された職務を遂行する義務を負います。台湾の会社法では、総経理に関する規定はなく、「経理人」として扱われます。総経理(経理人)は役員ではなく使用人ですので、一般従業員と同様に労働保険に加入する義務があります。

董事と総経理は誰が適切か

総経理は台湾に常駐している必要がありますが、董事長や董事はその必要はありません。したがって、総経理は日本人駐在員または台湾人を任命し、董事長は日本本社で勤務しながら日本の職位と兼務しているケースもよくあります。また、董事長や董事と総経理は兼務も可能です。

設立準備期間中の経費

設立準備期間中に発生したコストを税務上の損金に参入するには、所定のエビデンス(請求元が台湾法人の場合は「統一発票(GUI)」、それ以外の場合は請求書等)が必要となりますが、いずれの場合も宛名に台湾拠点であることを明記しなくてはなりません。

例えば、将来台湾で現地法人を設立していて、その準備期間中に費消したコスト関連であれば、「○○股份有限公司籌備處」と宛名書きすることが必要です(*籌備處は準備処を意味)。エビデンスの宛名を親会社名または本社名とした場合、たとえ台湾拠点の関連コストでも、税務上は損金として認められません。社名については、法人登記前の社名予備審査の段階で確定することができます。

外国為替管理

台湾の通貨である新台湾ドル(NTD)は、グローバル市場で兌換できないため、NTD建て取引には台湾内で口座を開設する必要があります。

台湾では、海外からの入金や海外向け送金は自由に行うことができます。但し、決済額が一定額を超える場合には、中央銀行への許可申請が必要です。貿易決済については、事前申請は不要ですが、一回の決済額がNTD 50万を超えた場合には事後申告が必要です。非貿易決済については、これに加え、年間総額が法人、個人で各々、 USD 5,000万またはUSD 500万を超える場合、事前に許可申請する必要があります。

外国投資とネガティブリスト

一般に台湾では、国家の安全保障や防衛、環境保護にかかわる一部の業種を除き、外国資本の対内直接投資を推奨しています。外国投資の規制対象業種を列挙したネガティブリストは、わずかしかありません。一方、中国資本については、その他外国資本とは別の法律で規制され、直接・間接投資を問わず、制限業種はより広範囲に設定されています(中国から台湾への出資制限)。

 

 

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