日台間のM&A

台湾M&Aにおける課税関係

株式譲渡益に係る課税
取引対象となる株式の株券の発行有無を確認する

台湾では株券発行の有無等の違いにより、株式譲渡行為の取引定義が異なります。例えば、株券が発行されている場合には、取引行為にしか課税されず売却益には課税されませんが、株券未発行の場合には「財産取引所得税」として課税所得に含めて計算します。

株券が発行されている場合

株券を発行した場合、当該株式は證券交易稅條例(証券取引税条例)1条及び公司法(会社法)162条で規定する有価証券取引に該当します。台湾では、2016年1月1日より証券取引所得税の課税は停止されていますので、当該取引によって生じる売却益等の所得に対する課税はありませんが、証券取引行為に対しては、売却価格の0.3%分の証券取引税が課されます。

株券が未発行の場合

株券が発行されていない場合には、所得税法14条の財産取引所得となります。売手は売却益を課税所得に合算し、所定の税率を乗じて税額を計算します。個人の場合には、各人の総合課税所得に基づく累進税率を、法人の場合は、法人税率20%(2018年より従来の17%から20%に変更)を用いて計算します。

ミニマムタックス税制とは

非上場会社株式で株券未発行の場合、通常の所得税(法人税)とは別建てで計算するミニマムタックス税制で課税される可能性もあります(所得基本税額12条)。

売却益課税のまとめ

 


なお、財産取引所得は、譲渡価格が取得原価を上回った際の売却益を課税所得とするため、取得原価よりも低価で譲渡された場合には課税対象にはなりませんが、譲渡価格が1株当たりの純資産価額を下回る場合には、贈与税の課税対象になります。したがって、譲渡価格を1株当たりの簿価純資産にして取引するのが税務上は妥当といえるでしょう。

*財産取引所得=譲渡金額-(取得原価+譲渡経費)ここでいう取得原価とは出資額または取得価額を指します。

事例で理解する

1.株券発行がなく財産取引所得に該当するケース

A氏は2016年1月5日に個人で100%保有するT有限公司(有限会社)の持分(出資額50万元)をB氏に譲渡した。譲渡価格は200万元で譲渡経費として仲介業者に3万元を支払った。

解説

A氏の売却益は、譲渡価格200万元-(出資額50万元+譲渡経費3万元)=147万元 となります。したがって、A社は2016年度の個人総合所得税の計算において、上記財産所得147万元を合算し、合算後の課税所得に基づく累進税率て申告する必要があります。なお、株主が法人の場合には法人税率17%で税額を算出します。

2.株券発行があり証券取引行為に該当するケース

A氏は2016年1月5日に個人で100%保有するT股份有限公司(株式会社)の株式(資本金50万元、非上場会社株式、規定の株券発行済)をB氏に譲渡した。譲渡価格は200万元で譲渡経費として仲介業者に3万元を支払った。

解説

会社法の所定の株券を発行しているため、証券取引行為に該当します。このため、証券取引税として、譲渡価格200万元×0.3%=6千元 が課され、売却益に対する課税はなしとなります(証券取引所得税の課税は停止中)。一方、今回の取引対象株式は非上場会社株式であるため、別途ミニマムタックス税制を考慮する必要があります。

3.贈与税の対象となるケース

A氏は2016年1月5日に個人で100%保有するT股份有限公司(株式会社)の株式(資本金50万元、株券未発行、1株当たり簿価純資産10元、5万株発行)をB氏に譲渡した。譲渡価格は20万元で譲渡経費として仲介業者に3万元を支払った。

解説

A氏が売却した価格は1株あたり4元(20万元÷5万株)であり、簿価純資産10元よりを大きく下回っています。このようなケースでは、財産取引所得税は課されませんが、贈与税の対象になる可能性は高いといえます。

その他課税

税務徴税法
  • 15条:合併時の存続企業側の納税義務
所得税法
  • 65条:解散廃止合併譲渡時の資産評価
  • 66条:両税合一
  • 75条:決算、清算申告
  • 92条:源泉税の申告納付 102条:配当収益票と未処分利益追加申告納付
営業税法
  • 30条:変更(抹消)登記
  • 39条:営業税還付の処理

 

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