台湾会計税務

法人税

台湾の法人所得税の税率は20%です。台湾法人株主に対する配当は非課税扱いですが、個人や外国人株主(非居住者)への配当には源泉税が課されます。台湾子会社が日本親会社に配当する場合には、原則21%の源泉税がかかりますが、日台租税取決め(租税協定)の申請で10%まで軽減することも可能です。

「実額申告」と「みなし申告(拡大書審)」

法人税の申告方法には、会計上の利益に税務上の加算、減算項目を調整して算出する実額申告(こちらが一般的)と、業種別の標準利益率に基づき課税所得を概算する「みなし申告」があります。売上規模が小さい台湾の現地非上場企業では、「みなし申告」で申告するところも多いようです。

損金について

台湾では、損金の根拠となる原始証憑の要件について、費用別に詳細を定めています。例えば、輸入仕入については、輸出元のインボイスのほか、通関証明書や輸入納税申告書等の添付が必要です。これは、海外取引については、売主と買主の双方で保存される「統一発票」を経由しないため、恣意的に費用を過大計上するインセンティブが働くとみなすからです。また、非貿易取引に関しては、支払者の源泉徴収票と契約書が根拠となりますし、外国法人の本社共通経費を台湾支店に配賦する際は本社の監査済財務諸表及び配賦計算書類(認証済)を別添する必要があります。

費用別エビデンスの要件
費用 必要なエビデンス 備考    

給与

給与受領書(現金の場合)、給与台帳、タイムカード、勤怠管理表、源泉所得税納付書控え

給与台帳には給料、残業代、免税食事手当2400元を記入

   

仕入

国内分:統一発票、領収書

輸入分:インボイス、通関証明書、納税証明書、送金依頼書、EMS等控え

輸入仕入については通関したことを証明する左記証憑がないと損金に算入できない

   

家賃

法人家主の場合:統一発票

個人家主の場合:源泉税納付書控え、契約書コピー

会社名義で契約した場合、経費計上が可能

個人大家で家賃が2万元以下の場合、源泉徴収不要

   

書籍・文房具等

統一発票または普通領収書

 

   

旅費交通費

出張報告書(日程、訪問先、内容)

航空券:領収書及び搭乗券の半券

タクシー:領収書及び乗車ルート

宿泊代:統一発票または領収書

左記実費とは別に一定限度額まで日当を損金算入できる

  • 国内出張:マネージャークラス700元まで、その他600元まで損金可
  • 国外出張:「公務員出張日当標準」に準ずる
   

輸送費

統一発票、領収書

 

   

通信費

領収書、支払書

 

   

修繕費

統一発票、領収書

資産価値を高める場合、資本的支出として資産計上する

   

広告費

統一発票、領収書

自社商品をサンプルとして無償提供する場合、提供先から受領書が必要(受領書には受領サイン、住所、品名、数量を記入)。帳簿摘要欄にも明記が必要。

   

光熱費

領収書、支払書

 

   

保険料

領収書、支払書

 

   

交際費

統一発票、領収書

仕入・売上高等に応じ、限度額が別途規定

   

租税公課

税金納付控え等

法人税を除く租税公課は原価に含めることが可能(印紙税、輸入税等)

   

寄付

統一発票、領収書

 

   

食事手当

従業員の受領サイン

従業員は1人あたり月額2,400元以内は免税

   

コミッション

統一発票、領収書、契約書、送金依頼書

 

   

備品

統一発票、領収書

8万元超でかつ耐用年数が2年を超える場合、資産計上

   

ロイヤリティ

(使用料)

国内分:統一発票、契約書

国外分:インボイス、契約書、源泉税納付書控え

 

   

専門家への支払等

源泉税納付書控え

2,000元以下は源泉税不要

   

支払利息

契約書、返済スケジュール表、利息の支払証明

親子ローンの場合、市中金利と大きく乖離した支払利息分は否認される

   

貸倒引当金

一般債権:売掛債権×1%まで損金に算入することが可能

貸倒懸念債権:過去3期の平均貸倒比率に応じた引当額を限度に算入可能

 

   

貸倒損失

①貸倒の事実を証明するもの(破産宣告等)または②回収期限から2年経過した未回収債権がある場合には、内容証明郵便、督促状を送付のうえ、損失計上する

内容証明郵便の未達が確認された年度(①)または到達が確認された年度(②)に費用計上する

   

出所:所得税法、營利事業所得稅查核準則「公務員出張日当標準」

実際の状況により、追加的にエビデンスが別途必要となる場合もあります。なお、普通領収書は小規模事業者向けの統一発票発行免除の代替エビデンスです。費用計上には、免用統一発票章(スタンプ)の捺印と統一番号の記入が必要になります。

参考資料
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