台湾人事労務

台湾人事労務

一、労働時間と休日の原則

原則は1日8時間、週40時間、週休二日制です(労基法24条、36条)。

台湾では原則1日に8時間または1週間に40時間を超えて労働させることを禁じています。残業時間を含めた1日の総労働時間の上限は12時間までとし1ヶ月の総残業時間は46時間を超えてはなりません。時間外勤務(残業)をさせる場合には残業代の支給が必要です。

法定休日

原則7日間ごとに2日間以上の休日を設けることと、そのうち1日を「休息日」とし、もう1日を「例暇日」を設けるよう定められています(労基法36条)。但し、変形労働時間制の届出をした企業は例外的な扱いが認められます。

「休息日」とは→残業代を払えば休日出勤も可能

  • 従業員の同意を前提に休日勤務を要求することができる休日。
  • 残業代加算率は平日勤務と変わりませんが、残業時間を4時間単位で算定するため1時間の残業でも4時間分の残業代の支給が必要となります。

「例暇日」とは→原則勤務は禁止

  • 天災、事変又は突発事件の場合を除き、原則従業員を勤務させることはできません(天災事変等による例外的勤務発生時の残業代は二倍の割増賃金となる)。
  • 天災事変以外の理由でやむを得ず勤務させた場合は労基法違反企業として当局のホームページに掲載されるほか罰則等が科されます。
国民の祝日(国定休暇)

国民の祝日として労基法上で会社に付与義務が課せられている法定休日以外の休日です(労基法37条)。春節や端午節、中秋節、国慶節等がこれに含まれます。台湾では旧暦の日付で設定されるため毎年変動します。なお、業務上の理由により祝日の出勤を命じる必要がある場合は①振替休日を付与する(この場合残業代は不要)、または②従業員の事前同意を得て二倍の割増残業代を払う、あのいずれかを選択します。残業代の詳細は「残業代・休日勤務の賃金」をご参照ください。

二、変形労働時間制

台湾にも変形労働時間制はあります。変形労働時間制とは、 勤務日・勤務時間を特定すること等によって変形期間を通じ平均して1週の労働時間を法定労働時間以下にする制度です。つまり、一定の期間内であれば1日8時間を超えても残業代を払う必要がありません。

例えば飲食業等、曜日や時間帯によって閑散期と繁忙期のメリハリがある職場にとっては残業コストを抑制できるというメリットがあります。但し、採用に際しては恣意的な残業未払いや労働環境悪化を回避するために労使双方の同意(労資会議(労使協定)等)と届出が必要です。

適用要件

  • 変形労働時間制適用指定業種(指定適用勞動基準法彈性工時之行業)に該当していること(飲食業は含まれます)
  • 雇用契約書と就業規則に変形労働時間制採用事業者である旨を明記していること
  • 労資会議(労使協定)の議事録を作成し具備していること(労使協議には少なくとも従業員の過半数の出席ならびに四分の三以上の同意が得られたことを示す必要があります(同意者全員の署名))
  • 所定の手続きを経ずシフト制を採用した場合、罰則が科されるほか労働部のホームページ上に労基法違反法人として社名が公開されます。
タイプ 労基法 内容 休息日 例暇日
2週間単位 30条-2 2週間のうち2日分の勤務時間を他の日に振り分けることができる。但し1日につき2時間、1週間で合計48時間を超えてはならない。 2週毎に2日 7日毎に1日
4週間単位 30条-1 4週間のうち任意の勤務時間を他の日に振り分けることができる。但し1日につき2時間を超えてはならない。  4週毎に4日 2週間毎に2日
8週間単位 30条-3 8週間のうち任意の勤務時間を他の日に振り分けることができる。但し1日につき8時間、1週間で合計48時間を超えてはならない。  8週毎に8日 7日毎に1日
通常(変形なし) 36条 7日毎に2日間以上の休日を付与しなくてはならない。うち休息日と例暇日は各1日とする 7日毎に1日 7日毎に1日
 
具体例(4週単位の場合)

4週間単位の場合、2週間で2日以上の「例暇」と4週間で合計8日以上の「例暇」と「休息日」を設定すれば1日に2時間まで振替えすることが可能です。但し、1週間の総勤務時間は48時間以内にしなければなりません。

例えば下表の場合、第1週の水曜日と第2週の金曜日を休日にし、同二日間の勤務時間計16時間を1時間ずつ16日間に振り分けることも可能です。変形労働制を採用していない場合には9時間勤務の日は残業代1時間分が発生しますが、採用している場合には割増賃金は不要です。

 

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