持株比率と株主権利

議決権の保有割合とそのリスク
1. 日本と異なる保有割合に要注意

台湾企業と合弁会社を設立する場合や、既存台湾法人へ出資する際に留意しなくてはならないのが議決権の保有割合です。
日本と台湾とでは、株主の権利行使の範囲と持株比率に違いがありますので注意が必要です。

2. 少なくとも1/3超は保有したい

例えば、台湾では株主が単独で決められる事項の中に董事長(代表取締役に相当)の解任があります。
日本では代表取締役の解任には過半数が必要となっていますが、台湾では3分の2以上の議決権の保有が必要です。仮に台湾側出資者の保有割合が3分の2超となると、いつでも董事長が解任させられるリスクが生じます。このようなリスクを防ぐために、日本側出資者は、少なくとも1/3超(できれば2/3以上)の議決権を保有するのが望ましいといえます。

台湾における議決権の保有割合と権利
下表は台湾の会社法等で定められている議決権の保有割合と権利の関係です。

1. 定時株主総会議案提出権(1%以上)

定時株主総会において、議案の提出が可能

2. 株主総会招集権(3%以上)

一定の場合に、監督官庁の許可を得た上で、自ら株主総会を招集することが可能。
取締役の業務執行が会社に重大な損害を与えた場合等に、一定の要件の下、訴訟を提起し、裁判による取締役の解任を求めることが可能(監査役に対しても準用)。

3. 各種請求権の行使(継続して1年以上3%以上所有)

1.臨時株主総会の招集要請

取締役会に対して臨時株主総会の開催を請求できる。なお、請求後15日以内に取締役会が招集しない旨を通知した場合、主務機関の許可を経て自ら招集が可能。

2.取締役・監査役に対する提訴の請求

書面により、会社のために取締役(監査役)に対する 訴訟を提起するよう、監査役(取締役)に請求が可能。

3.検査役選任の請求

会社の帳簿及び財産状況を調査するために、裁判所に検査役の選任を請求し、会社の帳簿及び財政状態を調査させることが可能。

4. 仮決議(1/3以上)

普通決議の定足数を満たさない場合に仮決議を行うことが可能

5. 強制的公開買付(20%以上)

(上場企業のみ)単独で又は他人と共同して、50日以内に株式公開発行会社の発行済株式総数の20%以上の株式の取得を予定する場合には、公開買付の方式により当該株式公開発行会社の株式の買い集めを行わなければならない

6. 普通決議(過半数)

株主総会の決議は会社法に別段の定めのある場合を除き、発行済株式総数の過半数を所有する株主が出席し、出席株主の議決権の過半数の同意を持って行われる。

  • 年度決算書類の承認
  • 取締役及び監査役の選任
  • 取締役及び監査役の報酬の決定
  • 取締役の競業避止義務違反による所得の請求
  • 取締役及び監査役に対する起訴決議
  • 利益処分案または損失処理案の決議
  • 任意積立金の積立決議
7. 特別決議(2/3以上)

会社や株主にとって特に慎重な決定が要求される重要事項は会社法上、特別決議が要求されている。特別決議は発行済株式総数の2/3以上を有する株主が出席し、出席株主の議決権の過半数の同意をもって行われる(公開会社は別途緩和規定あり)。

  • 重要な営業・財産の譲受、譲渡等
  • 定款変更決議
  • 取締役及び監査役の解任
  • 取締役の競業行為
  • 他社への再投資限度額の解除
  • 従業員への譲渡目的での自己株式の買戻し
  • 株式配当
  • 解散、合併、分割

台湾でのM&A
台湾M&Aにおける課税関係
財務税務人事の留意点