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ベンチャーボード-創櫃板(GISA)

ベンチャーボード-創櫃板(GISA)とは

台湾では2014年にマイクロ企業の資金調達の場として、未公開株式市場の創櫃板(Go Incubation Board for Startup and Acceleration Firms/GISAと略称)が創設されました。
GISAは資金調達をメインとしたもので米国のピンクシートのように市場で売買することはできません。また、現物での出資は認められておらず、新株発行による現金増資のみとなります。

GISAに登録するメリット

GISAに登録するとTPEx(台北証券取引所)のウェブサイトに情報公開され、証券番号が割り当てられます。サイトの掲載を通じて、より多くの投資家へのアピールと企業の知名度の向上が期待されます。

1.企業の知名度があがるため、優秀な人材を集めやすくなる
2.未公開株式市場であるが、GISAのプラットフォーム経由であれば不特定多数から資金を調達することができる
3.GISAの登録までの指導期間において、専門家から会計処理や内部統制、社内制度の構築・整備のアドバイスを受けることができる
4.専門家の報酬は全てTPExが負担するため、低コストで実施が可能

1.申請の流れ

①申請
申請要件は以下のとおりです。
 (1)台湾の会社法に基づき組織設立した株式会社、有限会社または設立準備処
 (2)創新、創意及び将来の発展が見込める潜在力のあるもの
 (3)設立年数、収益力、資本金の制限はない(※)
 (4)TPExの指導を受けることができるもの
(※)但し、実際には下記③の総合チェックで実績審査があるため、設立後1年以上経過してから申請するのが望ましいとされています。
申請書類はこちらから

②「創新創意」の審査または推薦状の提出
TPExは各分野の専門家を通じて、申請企業が所有する技術の独創性やビジネスモデルの革新性、発展性を評価します。但し、TPExが指定する主務機関・学校等または他企業から推薦状を取得できる場合や、直近期の会計士財務監査報告書の営業収入がNTD5,000万元以上の場合は審査は不要となります。

③企業の信用・総合チェック
信用チェックは、主に役員(董事)や総経理の学歴・職歴を通じて行われます。総合チェックは企業の実績と事業計画の合理性、将来性を総合的に勘案して行われます。上述のように設立年数は申請要件ではないものの、ある程度の実績を示す必要があることから、設立後数年経過してから申請する方が望ましいというのがTPExの見解です。

④TPExの指導開始
当局が指定する会計士から適切な会計処理や内部統制の構築方法について指導を受けます。

⑤指導の有効性と増資計画の合理性評価
会計処理や内部統制の運用が有効でかつ、増資計画が合理的であると判断された場合、現金出資の許可が下ります。

⑥公募・引受け
GISAプラットフォーム上に申請企業の関連情報を開示して公募を開始します。株主層の拡大や株式の流通量を増加するため、TPExの内規により少なくとも1万株以上の株式の引受けが必要です。引受け基準に満たない場合、GISAに登録することはできません。

⑦GISA登録完了
GISAの登録が完了するとTPEx(台北証券取引所)のウェブサイトに情報公開され、証券番号が割り当てられます。
予め個人番号または法人番号で登録した投資家は、このGISAプラットフォームを通じてGISA登録未公開株式を購入することができます。

⑧継続指導(必要に応じて)
GISAの登録完了後もトータルで2年間まで継続してTPExの指導を受けることができます。ただ、実際には指導期間中に紹介された会計士事務所と直接契約するケースが多いようです。

2.GISA登録企業の開示義務について

GISAの登録後は定期的に財務諸表や内部統制の有効性について適切に開示が求められます。登録後3年を経過すると専任の会計従事者の設置と台湾公認会計士による財務監査が必要となります。これらに関連する費用は全て企業自身で負担することになります。
GISA登録企業

3.GISA株への出資制限について

リスク許容度の高い機関投資家や所定要件を満たす法人投資家を除き、一投資家が一年間にGISA登録株に出資が可能な金額はNTD 15万元までとされています。NTD 15万元を超えて出資するにはTPExが定めるエンジェル投資家登録を経て行うことも可能ですが、その場合はGISAプラットフォーム経由ではなく、手続きがより簡便な第三者割当増資で行うケースが多いようです。

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