台湾の労働部は、新型コロナウィルスの感染防止措置に係る労働者の休暇と雇用主の賃金払いの要否について、隔離治療の有無や在宅隔離、自主健康管理、家族の看病等の状況に応じて下記のとおり定めました(出所:労働部 中央感染病指揮センター)。
隔離治療対象者(新型コロナウィルスに感染し隔離治療を宣告されたもの)
- 業務に関連して感染した場合:雇用主は傷病休暇を付与するとともに休業補償給付として賃金全額を支払う。なお、労働者がこれにより死亡した場合は、労働基準法の労災規定に基づき相当の補償を支払う。
- 業務に関係なく感染した場合:隔離治療期間は普通傷病休暇(半給)、特別休暇(有給)または私事休暇(無給)として扱い、治療に専念させる。
在宅隔離対象者(新型コロナウィルスは未感染であるが感染者と接触または湖北省の渡航歴があるもの)
- 雇用主と労働者のいずれの責めに帰すべき事由がない場合、雇用主はいかなる休暇も個別に与えることはできない
- 雇用主は、労働者に対して未就業分の労働補填の強制、解雇またはその他不利益となる処分をしてはならない
- 強制隔離期間中の賃金については、雇用主に支払いの義務はないが、必ず労使協議に基づく合意を得る必要がある。なお、勤怠記録上は「感染症防止隔離」と明記し、欠勤扱いにしてはならない。
自主健康管理者(新型コロナウィルスは未感染であるが感染の可能性から衛生局に自己管理を命じられたもの)
- 衛生局の自主健康管理通知に基づき自宅待機する場合には、自主健康管理期間中は、普通傷病休暇(半給)、特別休暇(有給)、私事休暇(無給)または業務調整にて対応する。
- 通知に基づき雇用主主導で就業停止させた場合:雇用主が主導の勤務停止に該当するため、賃金全額を支払う
その他
家族の感染または自主健康管理により、当該労働者が介護・養育する必要がある場合には、「性別工作平等法」に基づき最長7日間の事假(無給)を取得するか、雇用主と協議のうえ、有給休暇を取得する等で対応する。なお、12歳以下の子どもを持つ保護者については別途措置が講じられた(台湾、小中高の冬休み延期に伴う企業の対応)。