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会社法関連

閉鎖性株式会社への役務/信用出資時の課税留意

前回のログでもお伝えしたように、台湾の会社法改正により新たに制度化された閉鎖性株式会社では、従来の株式会社(非閉鎖性)よりも幅広い出資形態として、役務や信用による出資が認められるようになりました。

出資形態の多様化や会社運営が柔軟になったことで、同形態による「新設」または「変更」件数は、現時点で計596件となりました。しかし、役務出資は、うち二割(132件)とそれほど高い割合は占めておらず、信用出資に至ってはわずか1%(6件)に留まっています。

資本力のない若者でもアイディアがあれば株式を取得することができるとして、注目されていた役務・信用出資の制度化でしたが、ケースによっては引受時に出資額分が課税所得に加算されてしまう可能性があります。

財政部の解釈によると、個人が役務または信用で出資し、非閉鎖性株式会社の株式取得を行った場合、所得税法第14条第二項で規定する現物出資に該当するとして、以下に基づく課税します。

  1. 役務または信用出資で取得した株式は、その他所得に該当(所得税法第14条第一項第10類)。当該株式について、定款で一定期間内の譲渡制限を定めている場合には、当該制限期間満了日の翌日を処分可能日とし、同日における株式時価から算出した金額を株主の課税所得とする。一方、譲渡制限期間に関する約定がない場合には、定款に記載された株価(=出資額)を時価とみなし、これを株主の課税所得とする。
  2. 「時価」とは、株式処分可能日の直近一年度以内における一株当たり純資産である。純資産の計算は台湾公認会計士の監査報告書に依拠する。なお、直近一年度内で監査を受けていない場合には簿価純資産で計算する。
  3. 会社は、株主が役務・信用出資で株式を取得した場合には、取得時点で源泉徴収の必要はない。しかし、その後処分可能が決まった場合には、処分可能日の翌年1月末までに源泉徴収を行う必要がある。

例えば、株主Aさんが役務出資でNTD 1000万相当のB社株式を取得した場合で、かつ、譲渡制限期間に関する取り決めがない場合には、税務当局は出資額NTD 1000万をその他所得とみなし、累進税率40%を乗じたNTD400万を課税します。

従って、閉鎖性株式会社の設立を検討される場合には、あらかじめ譲渡制限期間に関する規定を盛り込む方が良いでしょう。

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