台湾の立法院(日本の国会に相当)は、10月31日に専門技術を有する外国人の台湾における就労要件を緩和する条項を盛り込んだ「外國專業人才延攬及僱用法」(外国専門人材誘致及び雇用法)を可決させました。
これにより、ビザ、居留、保険、租税、退職金制度において各種要件が緩和され、外国人の台湾における就労環境の改善が期待されます。具体的な緩和措置は以下のとおりです。
- 労働許可、居留ビザ、外国人居留証、再入国許可の一本化「就業金卡(就業ゴールドカード)」:従来は、特定の雇用主の招聘に基づき労働許可証を申請取得していたため、外国専門人材が台湾で自由に転職することが難しかったのですが(就労許可証及び居留証が招聘元の雇用主と紐づけされていた)、今後は一本化により自由になるほか、居留証の初回期限が3年から5年に延長され、年間滞在期間183日要件も撤廃される予定です。
- 永久居留証の要件緩和:今後は外国専門人材が永久居留証を取得した場合には、当該外国人の配偶者及び子女も永久居留証の申請が認められるようになります。従来まで外国専門人材は居留証取得即日から健康保険の加入ができた一方でその配偶者は同居留証取得後6カ月間の待期期間が必要でした(就労許可証を持たない居留者は6カ月間保険未加入)が、永久居留証を取得すれば配偶者や子女であっても取得即日から保険(全民健康保険)に加入することが可能になります。
- 求職者用ビザ:今後は就業先が未定の外国専門人に対して、3カ月間(最大6カ月間まで延長可能)の求職者用ビザが新規に作られる予定です(但し、台湾人の就業率を確保するため一定範囲の総量規制はあるとのこと)。
- 外国人の退職金制度加入の要件緩和:これまでは、配偶居留証を有して就業している等の一部の例外を除き、外国人は台湾の退職金制度(新制度)に加入することはできませんでした。しかし、今回の緩和により永久居留証を取得した外国専門人材であれば、台湾の退職金を受け取ることができるようになります。
- 外国人個人所得税の優遇:年間所得がNTD300万(約1100万円)を超えた場合、当該超過分の50%分が3年間免税になります。