長期にわたって議論されていた、台湾の労働基準法の改正案が2016年12月6日に立法院で可決されました。改正後、週休二日制の導入や休日残業の割増率の引き上げ、年次有給休暇の付与対象者の拡大等、企業側は社内規程を見直すなど適切な対応が求められます。なお、同改正案は2017年1月1日より施行開始されます。
以下はポイントを抜粋・整理したものです。
労基法 | 概要 | 内容 |
第36条 | 週休二日制の明文化 | 改正前:7日間のうち法定休日1日
改正後:7日間のうち法定休日(例暇)1日+法定外休日(休暇)1日の合計2日 |
休日残業時(法定外休日)の賃金割増分計算式の変更 | 改正後:
最初の2時間:1時間×1.33倍 3時間目以降:1時間×1.66倍 休日残業時間は1カ月46時間を上限とし1日当たり12時間を超えてはいけない
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第37条 | 国定休日の短縮 | 改正前:年間19日
改正後:年間12日(7日間の減少) |
第38条 | 年次有給休暇の付与対象者拡大 | 改正前:在職期間が1年未満の従業員には付与しなくてもよい
改正後:在職期間が半年以上の場合には3日以上付与しなくてはいけない |
第74条 | 労使争議時の労働者の保護措置 | 労使争議を要因とした不当解雇の禁止 |
第79条 | 雇用主の違法に対する罰則を強化 | 改正前:2~30万元の罰金
改正後:2~100万元の罰金(状況により追加で150万元の罰金) |
本修正案による企業側への影響としては、従来よりも在職期間の短い従業員が休暇の付与対象となるほか、割増賃金率の上昇や未消化分の休暇の買い取り義務が生じるため、コスト負担は増えるものと思われます。
上記第38条および最低賃金の従前との比較は以下のとおりになります。
2017年1月1日以降 | 以前 | |
最低賃金
時給 月給 |
NTD 133 NTD21,009 |
NTD 126 NTD20,008 |
有給休暇付与日数
6カ月~1年未満 1年~2年未満 2年~3年未満 3年~5年未満 5年~10年未満 10年以上
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3日
7日 10日 14日 15日 1年につき1日追加最高30日迄 退職時未消化分は会社が買取り |
なし
7日 7日 10日 14日 1年につき1日追加最高30日迄
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