- 多くの日系台湾法人では、日本親会社が100%株式を保有するため、親会社の役員または一般従業員が台湾法人の役員に就任する(または任命される)ケースが多いかと思います。
- 台湾会社法第23条2項によると、「会社の責任者は、会社の業務執行に関して、法令に違反し他人に損害をもたらした場合には、会社と連帯して損害賠償を負う必要がある」と規定しています。
- つまり、役員の対第三者責任の連帯責任を規定していますので、例えば、現地法人が取引先や得意先に与えた損害について、役員個人が責任を負う可能性もあります。特に現地に日本人駐在員等の常駐者がいない、または、株主や利害関係者が複数である場合には、経営上の統制が難しいため、潜在リスクは大きくなります。これらを回避するためにはどうしたらよいか、日常業務での報告体制等を綿密に整備されるのが望ましいでしょう。その他会社法に定める取締役の主な義務は以下のとおりです。
◆取締役(董事)の義務◆
- 台湾の会社法では取締役(董事)の主要義務として10項目を定めています。( )は台湾会社法の参照条文
- 忠実義務と善管注意義務(8条、23条、193条)
- 委任関係に基づく計算・報告義務(228条、229条、230条)
- 発行株券への署名捺印義務(162条-1、257条-1)
- 競業避止義務(209条)
- 所有株式の申告義務(197条-1、197条-2)
- 会社株式の担保設定・解除時の申告義務(197条-1)
- 監査役への報告義務(218条-1)
- 株主総会招集義務(171条、201条、211条、240条-6、241条-2、246条-1等)
- 会社の破産解散宣告義務(211条、316条)
- 定款及び各種帳簿の設置等義務(210条)