台湾人事労務
台湾で個人に報酬を支払う際の源泉徴収と社会保険
台湾で個人に報酬を支払う場合、まず 「被雇用者として給与を支払うのか」、または 「個人事業主・フリーランスとして報酬を支払うのか」 によって、源泉徴収や社会保険の取扱いが異なります。
1.被雇用者と個人事業主の比較
| 項目 | (1)被雇用者への給与 | (2)個人事業主・フリーランスへの報酬 |
| 会計上の区分 | 給与手当、賞与 | 契約報酬(外注費、業務委託費、支払報酬) |
| 台湾での所得区分 | 給与所得 | 兼職所得、執行業務所得など |
| 会社負担 |
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| 個人負担 |
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| 源泉所得税 | 居住者は原則、税額表または5% (一定額未満は不要) |
居住者は原則、5%~10% (一定額未満は不要) |
| 社会保険(健康保険・労工保険・労工退職金) |
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| 会社負担の大きさ | 大きい。給与以外に法定福利費・退職金拠出が発生 | 原則、契約報酬のみ |
| 注意点 | 源泉徴収・社会保険(健康保険・労工保険・退職金)が必要 | 通常の社会保険(健康保険・労工保険・退職金)は不要だが、一定の報酬額を超える場合は源泉徴収が必要。また、二代健康保険が必要な場合あり |
2.台湾の社会保険と二代健康保険の違い
台湾の通常の社会保険は、主に被雇用者を対象とする制度です。
会社は従業員について、健康保険および労工保険に加入させ、さらに退職金を拠出する必要があります。これらの会社負担分は、日本の会計でいう法定福利費や退職給付費用に近い費用です。
一方、二代健康保険は、通常の健康保険とは別に、賞与、兼職所得、執行業務所得、配当、利息、賃料などに対して課される追加の健康保険料です。個人事業主やフリーランスへの支払いについては、会社が通常の健康保険、労工保険、退職金を負担することは原則としてありません。
ただし、報酬が兼職所得や執行業務所得に該当し、一定金額以上となる場合には、二代健康保険の補充保険料を報酬から控除し、納付する必要があります。これは原則として個人負担であり、会社は支払時に控除して納付する役割を負います。
したがって、実務上は次のように整理できます。
| 支払先 | 通常の社会保険(健康保険・労工保険・退職金) | 二代健康保険 |
| 被雇用者 | 必要 | 高額賞与などで対象となる場合あり |
| 個人事業主・フリーランス | 原則不要 | 一定額以上の報酬で対象となる場合あり |
台湾では、個人への支払いについて、給与か外注費か によって会社の負担が大きく変わります。
被雇用者の場合は、給与に加えて、会社負担の社会保険料や退職金拠出が必要です。
一方、個人事業主・フリーランスの場合は、原則として社会保険や退職金の会社負担はありませんが、源泉所得税や二代健康保険の確認が必要です。そのため、台湾で人材を活用する際は、契約形態だけでなく、実際の働き方を確認したうえで、会社負担・個人負担・源泉徴収・社会保険の有無 を整理することが重要です。