日台M&A
債権の現物出資(DES)
債権の現物出資とは
会社債権者が有する債権と引換えにする募集株式の発行のことです。DES(デット・エクイティ・スワップ)と呼ばれる増資の手法で、会社の債務を資本金に振替えることができます。
例えば、台湾子会社の株主債務(日本親会社から借入れ等)を資本金に振替える場合には、返済義務のある借入れが減り、資本金が増えることにより、会社の財務体質が改善します。また利息の負担もなくなることから資金繰りの改善や支払利息源泉徴収の負担が軽減されます。
債務消滅益の考慮
債権の現物出資では、会社に対する債権が時価で資本化されます。台湾子会社に債務超過が生じている場合には、実際の貸付金よりも債権時価が下回ることがあり、その場合は債務消滅益が生じるため課税されてしまいます。
台湾会社法上の要件
現物出資の場合、董事会(取締役会)の承認決議のほか、会計士の財産価額証明書「債權轉投資需會計師出具協議程序報告」が別途必要になります。その他の要件については、現金増資の場合と同じです。詳細は増資を参照ください。