台湾会計税務

産業創新条例

産業のイノベーション支援を目的に施行された「産業創新条例」では、企業の積極的な投資や雇用を促進するための税制優遇措置を定めています。適用期間は、下記2.の例外を除き、2029年12月31日までされています。

1. 研究開発費に関する投資租税控除(同第10条)

研究開発費に関する投資支出の15%を上限に当該年度の法人税から税額を控除することができる。但し、控除限度額は当該年度における要納付法人税額の30%までとする。当該年度に控除しきれない場合は、同支出の10%を上限に以後3年間にわたり控除が可能。

2.スマート機械・5G設備に関する投資租税控除(同第10条-1)

スマート機械や5G設備に関する投資支出でかつ、一課税年度の投資総額が100万元以上~10億元以下の場合には、同支出の5%を上限に当該年度の法人税から税額を控除することができる。但し、控除限度額は当該年度における要納付法人税額の30%までとする。当該年度に控除しきれない場合は、同支出の3%を上限に以後3年間にわたり控除が可能。※現時点では期間限定の措置となっており、スマート機械支出は2019年1月1日~2021年12月31日までの3年間、5G設備支出は、2019年1月1日~2022年12月31日までの4年間となる。

3.  未処分利益の投資活用で一部法人税が減免(同第23条-3)

企業の未処分利益を原資として投資支出を行う場合、未処分利益追加税(5%)の課税ベースから当該支出分を控除することができます。対象となる投資項目は、建物、設備、技術、無形資産等とし、土地や費用性支出は含まれません。これにより、企業は税負担を軽減しながら資金運用の効率化を図ることが可能です。事前申請は特に必要なく、法人税申告時に未処分利益申告書欄と関連書類を添付すれば適用されます(本規定は2018年度分から対象となるため2020年の申告時から適用開始)

例えば、X1年度の未処分利益300万元を原資にX2年6月に機器設備120万元を購入する場合、X3年度の法人税申告時にX1年度の未処分利益課税ベースを120万元控除して申告することになります。したがって、未処分利益追加税は(300万元-120万元)×5%=9万元となります。

4.  知的財産収益に関する税額控除(同第12条-1)

自ら研究開発して取得した知的財産権の譲渡及び使用許諾に係る収入については、当該年度の研究開発支出額の200%を上限に課税所得額から控除することができます。但し、同第10条と併用はできません。

5.有限合夥法人(LP)によるパススルー課税(同第23条-1)

 

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