台湾会計税務

外国法人の電子商取引課税

デジタルコンテンツには所得税と営業税が課されます

外国法人が台湾内で役務を提供して獲得した対価は、台湾内源泉所得に該当しますので原則、所得税と営業税が課税対象となります(但し1件あたりNTD2千以下の少額取引は除外)。

デジタルコンテンツとは?

インターネットを経由して販売されるオンラインゲームや音楽ストリーム、ショッピングサイト、宿泊予約サイトが含まれます。

個人向けの販売も課税対象に

従来は、買手が法人の場合に限り、買手の源泉徴収を通じて納税していましたが、国内業者との課税の公平性という観点から、個人消費者向けの役務対価についても申告が義務付けられるようになりました。これにより、台湾に拠点がない外国法人であっても、台湾内源泉所得があると判断された場合には、自主申告する必要があります。

課税所得はどのように試算するの?

申告額は、標準みなし利益率(または実際コストに基づく利益額)に利益貢献度を乗じた額を所得額として概算することも認められています(「台財稅字第10604704390號令規範外國營利事業的我國來源收入認定原則」)。

台湾に拠点がなくても税籍登録が必要?

なお、年間売上がNTD48万以上の外国法人は、上記の他に税籍登録と営業税の申告が必要となります。

所得計算は実額か標準利益率での選択が可能

  1. 実額ベースの場合:実際に費消したコストおよび台湾内の利益貢献度を証明するエビデンスを添付して実額ベースで所得額を算出する
  2. 標準利益率を使用する場合:上記1.が提示できない場合には、電子商取引の同業者利益率30%に台湾内の利益貢献度(50%~100%)を乗じて所得額を算出する
  3. その他要件を満たさない場合には税務当局の査定利益率で利益を概算する

利益貢献度とは

台湾に拠点を有さない外国法人については、台湾内の利益貢献度に応じた利益の調整が可能ですが、当該利益貢献度は許可申請が必要となります。

  1. 台湾内の利益貢献度の証明が可能な場合:当該貢献度を乗じて利益を調整する
  2. 全取引または提供地および使用地が共に台湾内の場合:貢献度は100%とする
  3. 上記の1.および2.のいずれにも該当しない場合:貢献度は50%とする

計算方法

税額=販売価格×純利益率×利益貢献度×源泉税率(20%)

電子商取引の具体例

例えば、台湾人旅行者が台湾で日本の宿泊予約サイトにアクセスして代金を支払う場合などはこれに該当します。当該サイトからの年間売上がNTD48万超(日本円で約165万円)の場合には、台湾内源泉所得の申告(翌年5月1日~5月31日の期間)と台湾での税籍登録ならびに営業税(2か月に一回)の申告が必要になります。

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