台湾会計税務

台湾会計税務

台湾の主要税目を下表にまとめました。税目は日本に比べると少なく、構成もシンプルとなっています。一方、営利事業所得税(法人税)に関していえば、損金算入の要件は日本よりも厳格となっており、「統一発票」(税務当局が管理指定する証憑)に基づき処理されます。

台湾の主要税目
  税目 内容 税率

国税

所得税

法人税と個人所得税を包括

法人所得:20%(但し NTD12万以下は免税)
個人所得:5%~40%

営業税

台湾内の物品役務の販売・輸入に課税

付加価値型:5%
非付加価値型:別途

関税 輸入貨物に課税、輸入関税表に基づく

 

貨物税 特定の台湾内製造物及び輸入品に課税 自動車(例):15%~
鉱業権利金 石油等の権利保有者に課税

 

遺産税・贈与税 台湾籍を有する居住者の台湾内外全ての財産に課税 10%
証券取引税 株券未発行の場合には財産取引所得として課税所得に合算 株式:0.3%
先物取引税 停止中

 

酒タバコ税 台湾内製造物及び輸入品に課税

 

地方税

印紙税

台湾内で締結された課税文書が対象

金銭領収書:0.4%
請負契約:0.1%
不動産抵当権設定等:0.1%
動産売買:12元

土地増値税 取得時と売却時の公示価格の差額に課税 20%~40%

地価税

公告地価を課税標準とする

工業用地:1%
都市計画区域:0.2%

田賦 停止中

 

家屋税

家屋を課税物件とする固定資産税

営業用:3~5%
住宅用:1.2%~2%

契約税 不動産の売買等権利移転が生じた際に課税 2%~6%
車両ナンバープレート税 排気量等に応じて課税

 

娯楽税 娯楽税法に基づき課税(映画、演劇等)

 

 

台湾の会計基準

会社法228条により台湾のすべての法人は会計報告を行うことが義務付けられています。会計報告については、商業会計法にて原則・枠組みを規定し、詳細については商業会計処理準則及び一般に公正妥当と認められる会計原則(いわゆる台湾GAAP)に委ねる構造になっています。

台湾では2013年度より公開会社に対して国際会計基準(IFRS)の全面適用が導入され、2016年からは在台湾日系子会社を含む全ての非公開会社に対してもIFRSに準じた会計処理を義務付けるべく、”一般に公正妥当と認められた会計基準”を「財務会計準則公報(旧)」から「企業会計準則公報(新)」に変更しました。したがって非公開会社でも2016年度の監査報告書からは新基準に基づき意見表明がなされています。したがって、台湾では非公開会社はほぼIFRSに準じて会計処理を行います。

台湾の企業会計処理(商業会計法)

台湾における会計処理は基本的に日本とあまり変わりません。商業会計法に基づく会計処理の枠組みは下表のとおりです。

項目 内容 備考
会計証票 原始証票及び記帳証票を指す。1ヵ月または一定の期日単位で装丁し、原始証票を貼付する。
  • 原始証票:統一発票、インボイス、請求書、輸入申告書等
  • 記帳証票:伝票等
会計帳簿 最低限、日記帳と総勘定元帳の設置が必要。決算書の承認終了後、会計証票は最低5年間、帳簿は最低10年間保管する義務がある。  
財務諸表 貸借対照表、損益計算書、包括利益計算書、キャッシュフロー計算書、資本勘定計算書、注記が含まれる。
  • 新設年度を除き、原則二年度(前期比)比較表示とする
  • 記帳に使用する通貨は原則台湾ドルであるが、機能通貨が外貨の場合、外貨建て記帳も可。但し、税務申告用の決算書は台湾ドルに換算する必要あり。使用言語は原則中国語(摘要欄に英語・日本語併記は可)。
  • 財務諸表は6カ月以内に出資者に提出が必要。
記帳事務、決算 発生日順に遅滞なく記帳しなければならず、2か月を超過してはならない。但し、必要に応じて2.5カ月間延長が可能。複式簿記を採用。

 

認識及び測定 資産負債は原則、取得原価で計上。損益は発生主義、収益費用対応の原則。

 

棚卸資産の計上 評価方法:個別法、移動平均法、加重平均法、先入先出法等。評価基準:低価法(LCM)

 

固定資産の計上 実務上は税務上の取扱いに基づいて処理されることが多い。耐用年数が2年超かつ支出額が8万元超の場合には資産計上する。
  • 支出額が8万元以下の場合には当期の費用に計上可能
  • 但し、1件当たりの金額が8万元以下であっても複数購入し一回の支出額が8万元超となる場合で2年超の耐用年数のものは資産計上しなければならない
法定定年退職金の計上 雇用主は毎月一定比率を外部拠出する義務がある。会計上は拠出時の費用計上のみ。

日本には法定定年退職金の制度はない

 

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