台湾人事労務
未消化有給休暇の買取義務
台湾の労基法では、従業員に付与した有給休暇の未消化分について、雇用主の買取義務を規定しています。雇用主は、原則として年度末または雇用契約終了時に未消化分の有給休暇につき、当該従業員に賃金を支払う必要があります。但し、労使双方の合意により、翌年度へ繰り越すことも可能ですが、繰り越された未消化の有給休暇が翌年度末または契約終了時においてもまだ消化されていない場合には、雇用主は賃金を支払う必要があります。
取得日と基準日
休暇の取得日は雇用主と従業員が協議して決定します。雇用主は、従業員の退職時または年度末*に各従業員の有給休暇の未消化分を計算し、平均賃金の相当額を支払わなければなりません。年度末については、下記のいずれかを選択することができます(従来までは1.のみでしたが、2017年3月に2.と3.が追加されました)。選択した年度末の基準日により決算月の引当額が異なりますのでご注意ください。
- 暦年制を採用する方法(1月1日~12月31日まで)
- 会計年度を採用する方法
- 就業日から1年間を年度末とする方法
有給休暇の付与日数
有給休暇の付与日数は、労基法の基準を下回らない範囲であれば、労使双方の合意で自由に決めることができます。労基法では、勤務期間に応じて最低付与日数を下表のとおり定めています。
支給額の算定
有給休暇の買取額(すなわち雇用主の買取額)は、各人の平均賃金に残存休暇日数を乗じて計算します。平均賃金は、退職金や解雇手当などを計算する際のベースと同様に「計算の原因発生日から遡及して6カ月間に獲得した賃金総額を当該期間の総日数で除して算出した額」と定義されています(労基法第2条第4号)。なお、実際の勤務日数が算定期間の60%未満である場合は、当該期間に60%を乗じた期間で計算します。