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定款
定款とは、会社の組織及び構成員の権利や義務を定めた基本規則です。会社の設立手続き上、必ず作成しなければならない書類のひとつです。株式会社の場合、発起人は全員の合意のもとで定款を作成し、署名捺印しなければなりません。
定款の作成
定款に記載すべき事項は会社法によって予め決められており、「絶対的記載事項」、「相対的記載事項」および「任意的記載事項」の三種類に分かれます。株式会社の場合は以下のとおりです。
1.絶対的記載事項
絶対的記載事項は、定款への記載が必須なものです。記載すべき項目は会社法により定められており、未記載の場合は定款そのものが無効となります。
- 会社名
- 営業項目
- 株式総数及び額面金額(無額面発行の場合は株式総数のみ)
- 本社所在地
- 董事(取締役)及び監察人(監査役)の人数と任期
- 定款制定日
2.相対的記載事項
定款にこれらの事項に関する定めがなくてもその定款自体は有効です。ただし、定款で定めなければ、これらの事項の効力は発生しません。
- 支店の設立
- 株式を数回分けて発行する場合の会社設立時の発行株式数
- 解散事由
- 優先株の種類及びその権利義務
- 発起人の特別利益と氏名
- 経理人の設置
- 普通株以外の株式の種類及び内容
- 優先株の権利義務
- 無記名株式の発行
- 取締役会への代理出席
- 従業員への株式配当
- 任意積立金
- 清算人の選任 等
3.任意的記載事項
会社法で規定されているものではありませんが、法規に違反せず、公序良俗に反しない範囲において、定款に任意の内容を記載することができます。定款に記載することで当該記載事項に法的効力をもたせることができます。
定款の変更
定款の変更には株主総会の特別決議が必要です(台湾会社法277条)。
ただし、1人法人株主会社の場合には、会社法128条- 1第1項の例外規定により、 株主総会決議を経なくても董事会で定款変更が可能です。
また、 1人法人株主でかつ、董事会不設置会社の場合、会社法128条- 1第2項により董事長が変更を行えることになっています。
閉鎖性株式会社(株式譲渡制限会社)も原則は同様です。
株主総会の特別決議
発行済株式総数の3分の2以上の株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数の賛成を必要とする決議です。定款の変更以外にも下記については株主総会の特別決議が必要となります。
- 重要事項の決議
- 取締役の解任
- 取締役の行為の制限
- 配当、特別配当の全部または一部を新株発行の方法で分配すること
- 準備金の全部または一部を資本に組入れ、株式保有割合に応じて新株を割り当てること
- 会社の解散、合併、分割
- 定款の変更