法人税

1.概要

台湾の法人税の標準税率は20%です。

  • 台湾には、日本のような事業税や住民税はなく、法人所得税のみとなります。
  • なお、台湾では当期利益につき配当を行わない場合、別途未配当追加税5%が課されます。
  • 配当課税については、台湾法人株主に対するものは非課税の扱いとなっていますが、個人及び外国人株主(非居住者)に対しては配当時に源泉徴収課税されます。
  • 非居住者への配当時源泉徴収税率は21%ですが、日本と台湾の間には租税条約(日台租税取決め)がありますので軽減税率を適用し、10%まで引下げることが可能です。
  • 2019年1月1日より、過年度に課税済みの未配当追加税の源泉徴収税からの控除は廃止されました(2018年までは控除可)。

*台湾では2018年1月1日より改正所得税法の施行が開始しています。課税所得が50万元を超えない事業者については段階的に税率を引き上げる緩和措置が取られます(2018年度は18%、2019年度は19%、2010年度以降は20%)。

2.法人税の申告方法
1.実額申告とは
  • 台湾の法人税申告も原則は、確定した決算内容に基づいて作成されます。
    そのため、会社が決算の段階で行わなかった経理(特に経費)が、申告の段階で追認されることには一定の限界があります。
  • 支出および損失を確定申告の損金の額に算入するためには、決算の段階で原価、費用または損失として経理されていなければならないという要件(損金経理の要件)があります。減価償却費など、損金経理を必要とする一定の経費については、特に注意が必要です。
2.書面によるみなし申告(簡易申告)制度
  • 一方、売上高が一定額以下の場合や帳票等の整備が不十分な場合には、下記の標準利益率に基づく課税所得の計算も認められています(みなし申告)。
  • 但し、帳票が不整備といっても架空の経費水増し等は認められません。一般の申告に比べて税務調査される確率は低いものの、提出申告書の記載内容に疑義がある場合には税務当局から質問等を受けることがあります。

3.法人税申告時の留意点
1.同業者利益率(標準粗利率)に補正される場合があるの?
  • 台湾における法人税申告も日本と同様、原則、会計上の利益に税務上の加算、減算項目の税務調整を加えて課税所得を算出します。しかし、売上原価や費用明細を裏付けるエビデンス・帳票類(例えば、原価計算表や費用明細等)がない場合、もしくは、不十分であると判断された場合には、税務当局が定める同業利益標準に基づき課税所得が補正される可能性があります。
  • 同業利益標準は、毎年、税務当局にて公表されます。例えば、申告した財務数値から計算した粗利率や営業利益率が同業利益標準を下回っている場合には、税務当局から売上原価と費用に関する詳細なデータの提出が求められます。しかし、飲食業等のように原価計算を厳密に行うことが実務上困難なケースも珍しくありません。エビデンスが不十分である、と判断されると、税務当局から同業者利益率に基づく課税所得に補正されます。
  • 本来、利益率に関係なく課税所得が同じであれば税額も同じであるため、こうした利益率基準を設けること自体ナンセンスといえますが、この措置はあくまでもエビデンスが不十分と判断された場合ですので、税務当局からの質問に十分説明できる依拠があれば問題はありません。一方、台湾地場の未上場企業では、一般的に帳簿が整備されていないため、管理会計用とは別に同業利益率に近似するよう調整した申告用数値を作成することころも多くあります。
2.本社共通経費の台湾支店への配賦
  • 日本本社で発生した本社共通経費のうち、台湾支店に寄与する分については、配賦コストとして台湾支店の費用に計上することは可能です。但し、税務上損金に算入するためには、本社の監査済財務諸表並びに計算書類と合理的な配賦基準を説明する必要があります。
  • なお、合理的な配賦基準とは、原則、営業収益としていますが、それ以外にもその他合理的な基準でかつ台湾の税務当局が許可すればこれを適用することが可能です。
  • なお、配賦計算書類となる監査報告書と監査済計算書類には認証が必要です。これらの書類は、台湾支店の法人税申告時に別添して申告します。
3.参考資料

2018年度営利事業所得額及び同業利益標準ならびに拡大書審純利益率標準表
固定資産耐用年数表(日本語訳)
台湾税務

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