台湾では、従業員の勤務時間について、原則1日8時間・1週間40時間を上限とする旨、法律で定めていますが(労働基準法第30条第1項)、製造業や小売業等の一部の指定業種(同法30条第3項及び30条の1で指定する業種)については、要件を満たした場合に限り、柔軟な勤務体制(シフト制)の採用も認めています。
具体的には、1日8時間、週5日勤務(土日休み)のうち、1日分の勤務時間を週4日に振り分けることも可能です。
但し、原則、14日間につき最低4日以上の例暇日(2日)と休息日(2日)の休暇付与と1日の通常勤務時間の上限10時間を満たす必要があります。これを超える場合には別途加算給や代休等の手当てが必要です。
なお、シフト制の採用については、経営者側による恣意的な残業代の過少計算や労働環境悪化を回避するため、事前に労使双方で協議の上、その合意がなければできません。
シフト制採用に必要な主な要件は以下のとおりです。
- 労基法の指定業種であること
- 労働契約と就業規則の他に、別途労使協議の議事録を作成すること
- 1カ月分のシフトにつき、事前に休日(公休)を明確に定めておくこと
2.については、少なくとも従業員の過半数が同会議に出席し、当該シフト制の同意者が四分の三以上であることを示す必要(その人数分のサイン)があります。
3.については、シフト制従業員の休日出勤日の残業代の加給計算上非常に重要な資料になります。
上記事項を怠った場合、対象企業はペナルティが科されるほか、労基法違反企業として労働部のHP上で社名が公開されます。