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日台租税協定 源泉税

ロイヤリティと一般役務対価の違い

最近、日台租税協定が浸透してきたこともあり、同協定で定める投資所得(配当・利子・使用料)の源泉税低減(20%→10%)に関するご質問をよく受けます。

特に、インターネット経由で販売されるオンラインゲームや音楽ダウンロードといったコンテンツ商材については、内容・性質の違い(「ロイヤリティ」か「一般役務対価」なのか)により、適用可能な租税優遇措置が異なってきます(「日台租税協定」なのか「所得税法25条のみなし利益率」の適用なのか:詳細はこちらから→外国事業者に対する租税減免措置)。

日本企業が台湾企業(または台湾消費者)に対して何らかのサービス提供を行う場合、単なる契約書上の形式的文言だけではなく、実質的な性質が上記のいずれに該当するのかをよく理解しておく必要があります。

例えば、技術指導やコンサルティングといった人的役務提供に係る事業対価は「企業の利得」又は「産業上又は商業上の利得」に該当しますので、無形資産(特許権や商標権)の使用対価である「使用料」とは、会計・税務上別のものとして処理されます。
これは、単に契約書上の表記で形式的に判断されるものではありません。租税優遇措置を適用する際には、契約書の内容を中国語に訳した説明書類を添付するため、所轄機関では内容に基づく実質的判断を行います。従って、契約書上の文言はできるだけ内容に即した表記にした方が審査はスムーズに行われるといえるでしょう。また、両者が混在している場合には各々のサービスについて、名目と金額が紐づくよう明確に記載する必要があります。

なお、自社の商材がどのような性質に該当するのか判断が難しい場合には、台湾の税務当局に文書(公文書による当局回答の申請)で照会依頼をかけることも可能です。申請は契約書ベースでの個別依頼となるため、複数の商材を取り扱う場合には種類別に申請が必要です。

使用料に関してはOECDモデル条約でも定義を示しています。ご参考までに→(日本国税庁HPより)。

 

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