日台租税取決め

概要

2017年1月1日より日本と台湾間にて日台租税協定「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための公益財団法人交流協会と亜東関係協会との間の取決め」が施行しました。

これはいわゆる租税条約に準ずるもので、二国間の経済活動を促進することを目的としています。

主なポイント
  1. 投資所得の減税 配当、利子、使用料に係る源泉税率が10%に軽減
  2. 二重課税の回避 非居住者の源泉所得に対する免税範囲の明確化
  3. その他の措置 日本と台湾間で生じた相互協議に関する制度整備
よくある質問
1. 日台租税取決めの届出は誰がいつまでに行うのですか

最初にその所得の支払を受ける日の前日までに、所得の受領者名義で、支払者を経由して、支払者の納税所轄税務当局に提出します。
支払を受ける日の前日までに届出書を税務当局へ提出していない場合には、限度税率ではなく、当該国の税法で定める税率に基づき源泉徴収します。

2. 日台租税取決めの届出を忘れていました。対処法を教えてください

日台租税取決めでは、各種軽減税率の適用申請について、支払日の前日までに行うことが規定されてはいますが、効力要件にはなっていません。したがって、支払日を過ぎた後でも追加申請を行い、軽減税率を適用することは可能です。
但し、源泉徴収を怠っているため、期限後納付となり、不納付加算税と延滞税がかかります。

3. 日台租税取決め上の還付手続と還付請求権の消滅時効を教えてください

還付手続きも届出と同様に、所得の受領者名義で、支払者を経由して行います。申請先は支払者の納税所轄税務当局です。
還付請求権の消滅時効は支払日から5年ですので、支払日から5年を超えると還付を受けることはできません。
なお、還付申請に際しては、税金が納付済みであることを証明するエビデンス(送金依頼書等)の添付が必要です。

4. 減免の対象となる税目と申請のタイミングを教えてください

日台租税取決めで定める減税・免税の対象は、投資所得(配当、使用料、利子)の軽減税率(20%から10%に軽減)と外国法人の短期事業所得免税(役務期間183日以下)、財産取引所得です。また、所得の種類により申請の頻度が異なります。

5. 日本人駐在員の所得税還付要件を教えてください

台湾の所得税法上、非居住者日本人が台湾に91日以上滞在すると、日本払い所得分について申告する義務が生じますが、日台租税取決めの短期免税規定により、次の三つの要件を満たす場合には、台湾側での課税が免除されます(日台租税条約第15条第2項)。

  1. 日本居住者が任意の12カ月の期間において、台湾に連続または累計で滞在日数が183日以下の場合(暦年ベースではなく、入国日または出国日から起算する任意の12カ月間で183日以下)
  2. 当該報酬が、外国法人等といった台湾非居住者の雇用主から支給されている(例えば日本法人による給与払い等)
  3. 当該報酬が、台湾でのPE(恒久的施設、例えば日本法人の台湾支店等)で負担されていない
短期免税に該当するかの判定

1. 任意の12か月とは

ここで注意しなければならないのは、「任意の12か月間」です。
「任意の12カ月」とは、入国日または出国日のいずれから起算する12カ月間を指します。したがって、翌年度以降に再度、免税要件を満たしているかを判定する必要があります。

2. 実務上の流れ

実務上は暦年ベースでの滞在日数が91日以上となった時点で、一旦所得税法に基づき申告を行います。その後、翌年度以降に上記要件の該当可否を判断し、該当する場合には還付申請の方法で免除適用を受けることになります。

還付が可能な場合

還付ができない場合