台湾人事労務

台湾人事労務

雇用契約の種類

台湾の雇用契約には労働期間を予め定める「有期雇労働契約」と期間を定めない「無期労働契約」の二種類があります。
原則は無期労働契約ですが、臨時的、季節的、またはプロジェクトベースで業務に従事させたい場合は有期労働契約を締結することができます。

勤務年数の算定方法

雇用契約を終了してから3ヵ月以内に再契約する場合や契約の更新の際には、前後の勤務年数を合算しなければなりません。勤務年数は有給休暇や解雇金の算定根拠になります。

試用期間と解雇金

台湾では試用期間に関する明確な規定はありませんが、実務上は3ヵ月未満に設定するところが多いです。
労基法で定める解雇の予告期間は勤務期間が3ヵ月以上の労働者を対象とするため、試用期間中(3ヵ月未満)に解雇しても解雇金を支払う必要はありません。

台湾の最低賃金

最低賃金は月額26,400元、時給176元です(2023年1月1日以降)。

通常の労働時間

台湾の通常労働時間は8時間、週の合計労働時間は40時間を超えてはならないとされています。
また、労働時間は連続して4時間を超えてはならず、使用者は4時間ごとに30分以上の休憩を与えなければなりません(但し、交替制や業務に緊急・連続性を伴う場合には例外的に別扱いとなります)。

週休二日制

台湾では2016年の労働基準法の改正により週五日勤務制(週休二日制)が導入されています。

休日・休暇
(1)一例一休

労基法では使用者は労働者に対して7日間ごとに2日間の休日を付与するように定めています。
「一例一休」とは、2日間の休暇のうち、法定休日(例暇日)と法定外休日(休息日)を指すものです。
休息日を土曜日、例暇日を日曜日に設定する会社が一般的ですが、就業規則に定める場合や労使間で同意があればどの曜日に振り分けても構いません。
但し、変形労働時間制を適用している場合を除き連続して7日間以上勤務させることはできません。

(2)祝日

国民の祝日として労基法上で会社に付与義務が課せられている法定休日以外の休日です。春節や端午節、中秋節、国慶節等がこれに含まれます。台湾では旧暦の日付で定められるため毎年変動します(行政院のホームページ)。

法定祝日 日付(2023年の場合) 曜日 説明
中華民国開国記念日 1月1日 22年12月31日~23年1月2日の三連休
旧暦の大晦日 1月21日

1月20日~1月29日の十連休 ※1/7(土)と2/4(土)は振替出勤日

春節 1月22日
和平記念日 2月28日 2月25日~2月28日の四連休 ※2/18(土)は振替出勤日
児童節 4月4日 4月1日~4月5日の五連休 ※3/25(土)は振替出勤日
清明節 4月5日
労働節 5月1日  
端午節 6月22日 6月22日~6月25日の四連休 ※6/17(土)は振替出勤日
軍人節 9月3日  
中秋節 9月29日 9月29日~10月1日の三連休
国慶節 10月10日 10月7日~10月10日の四連休 ※9/23(土)は振替出勤日

 

(3)有給休暇

台湾の労基法では勤務期間に応じて会社の最低付与日数を定めています。
年度末または雇用契約終了時に未消化の有給休暇が残っている場合、雇用主は相当額の賃金を支払う必要があります。また、雇用主は労働者に対して有給休暇の付与日数を報告する義務があります。

勤務年数 付与日数
6カ月未満 なし
6カ月以上1年未満 3日間
1年以上2年未満 7日間
2年以上3年未満 10日間
3年以上5年未満 14日間(1年につき)
5年以上10年未満 15日間(1年につき)
10年以上 勤務期間が10年となった時点で16日間を付与しその後は1年につき1日を付与する。但し1年間に付与する日数は30日間を上限とする。
 
休日勤務

業務上の理由により労働者に休日勤務を要請する場合、労働者の同意を得て行う必要があります。また、休日勤務させた場合には所定の残業代または代休の付与が必要です。

  例假日(法定休日) 休息日(法定外休日) 国定休暇(祝日) 特休假(有給休暇)
休日勤務の可否

原則不可
(天災等の例外を除き労働者の同意があってもを得ても出勤させてはならない)

労働者の同意があれば可

残業代の計算

【例外:天災等発生時の勤務の場合】
8時間以内の部分につき1日分(8時間)の賃金を追加支給し、さらに代休を付与する。
主務機関への届出が必要

通常勤務日と同じ加算給とする

8時間以内の部分については8時間(1日分)分の賃金を支給する

 

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